無題

キーボードが楽しい
あんまり買えないけど、楽しいかもしれない。


情景描写をしてみよう


日が陰り始めた夕暮れの草原をゆったりとした川の流れが横たわっている。
寒冷地に適した針葉樹の木々がところどころで林をつくり、黄金色の光を割いて影が長く伸びる。
すでにかなたの林は陰となって仔細を失い、抽象的な輪郭となっているように見える。
川の流れは空と木々の姿を映しておだやかに揺れている。川に架かる石造りの橋が静かに流れる川の水をすこしだけ靡かせている。
このうつくしいたそがれどきの景色ももうほんの少しすれば真っ暗な闇に包まれるだろう。
わたしはある林の内に建つ一軒の小屋の前で、その景色を眺めていた。

小屋は少ない石をかき集めて積んで、その上に辺りの木々を切り倒した木材で組み立てた手製のものだ。
縦にも横にも４歩ほどしか歩くことができない小屋だが、半分ほどを寝床に使えば休むにも十分なひろさがある。
辺りが闇に沈む気配を帯び始めるので、わたしは火を熾すことにした。
明日の焚き木を小屋にはこび、昨夜小屋に運んだ焚き木を外へ持ち出して、火のよく熾るように重ねる。日頃腰かけにしている丸太を持ち出してくると、あたりはやはり暗くなった。